Motorola CLIQ 2: Review

19th-Jan に発売された Motorola CLIQ 2 を 21st-Jan に手に入れてほぼ2週間ほど使ってきた。そろそろ return period も半分を過ぎたので review という形式でまとめておこう。

Summary

Motorola 初の Android handset として T-Mobile から release された Motorola CLIQ の名前を引き継いだ、現時点での mid-high range に位置づけられる handset となる。

Original CLIQ はほぼ同じ size の housing に 3.1 inch LCD で解像度は HVGA だったけれど、CLIQ 2 はほぼ size は同じで 3.7 inch LCD、解像度は FWVGA と大きく改良された。独特の honeycomb 形状の QWERTY keyboard は見た目が若干変に感じるかもしれないけれど非常に使いやすい。

Original CLIQ で、ここがもうちょっと… と言う部分を着実に spec up して release された手堅い model だ。T-Mobile subscriber なら $99 で入手することが出来るので、email, texting, あるいは SNS などの用途に使う feature phone あるいは smartphone を求めているならかなり cost performance ratio が良いお買い得な handset だ。

Hardware

First impression のほうで詳しく書いているのでここでは2週間使い続けた感想を中心に書いていこう。

重量は 175g とかなり重くなっているけれど、大きさが結構 compact にまとまっているのでそれほど重さは感じさせない。G2 が若干余裕のある design で、全体的に大きいと感じたのと、重量のバランス的に上のほうが重い感じがしてどうにも私には持ちづらかったんだけど、CLIQ 2 の場合は重さの割りにかなり持ちやすい感じだ。Rubber 的な感触の soft-touch paint を施された back cover はかなり良い感じで、これも持ち易さ、という感覚にはかなり貢献していると思う。

3.7 inch FWVGA (854 x 480 pixel) touch screen は非常に綺麗で、明るくて、そして細かい文字がくっきりと見えて中々良い感じだと思う。Contrast ratio と発色の差があるので、Super AMOLED と比較すると movie なんかを鑑賞する用途で比較するとどうしても Super AMOLED の方が綺麗に見えるけれど、文字を見る、という用途が主体の場合はむしろ LCD の方が良いだろう。

全体的な作りは CLIQ と同じで like a Tank とでも言えば良いだろうか。とにかく頑丈だ。Jeans の back pocket、あるいは bag の中に他のものと一緒に放り込んで… とかあまり handset そのものには気を使わないというか、毎日使う電話機なのでそんなに気を使っても仕方が無い、というところなんだけど CLIQ の場合は1年間使って目立った傷もつくことも無かった。ただ key top の刻印と、正面の function keys が hardware button だったのでそこの刻印が剥がれてきてはいたけれど。 後はよく会社の office の床や自宅では落としていたけれど、特に問題もおきなかった。CLIQ2 も同じで作りはしっかりしていて、ちょっとの衝撃では多分びくともしないだろう。もっとも硬い路面に LCD 部分から落下した場合…という運の悪いケースではどうしようもないだろう。

Volume rokcer の位置が、本体左側から右側に移動してしまったのはいまでもちょっと戸惑うところ。基本的に左手で持って、左手の親指の位置に volume rocker があるのが好き、というか volume rocker を application の上下 scroll に使える場合が多いので、位置的にそこが便利だった。(もっと個人的な好みを言えば、その位置には Sony Ericsson P1 に付いていたような Jog Dial があるといいんだけど。) これが右側になると、ちょっと使いづらい感じがする。後はいつもの toggle 式 mute button はとても便利だ。これは全部の handset についていて欲しいと思う。

そして sprung slider mechanism は充分、というか特に問題も無く動作するし、ここが壊れる、ということも Motorola/Nokia handset で数年程度の使用なら無いだろう。 今まで smartphone に限らず色々電話機は手にしてきたけれど、Gravity とか Epic 4G を見ると Samusung は多分この部分の耐久性は余り無いだろう。HTC は数年も使うとほぼ全体的に駄目になっていくので、どこか特定のポイントがというのを考えるだけ多分無駄。Motorola と Nokia は傷や汚れ、という点を除けばかなり頑丈という感想だろうか。

Design を全体的に見るとおとなしい design で、特に奇をてらっていたり、sexy だったりということは無い。後は HTC のようにあからさまに中年男性向け、的な design という訳でもないので無難でどこにでも持ち歩いて違和感は無いだろう。 日常の使用には case も screen protector も特に必要は無いだろう。LCD に fingerprint が付くのが気になる、といえば気になるのでそれを防止するために Skinomi あるいは Ghost Armor などの薄くて透明度の高いものを貼ろうかどうかちょっと迷っているところ。 今のところは、まだ return period なのと amazon.com で Glass fiber coating spray というのを買って Nexus S と CLIQ 2 に使ってみているところなので、しばらくはこのままというところだろうか。

Usability

Motorola CLIQ 2 は Android OS 2.2 に MotoBLUR を搭載した model だ。CLIQ の MotoBLUR では OS 1.5 との組み合わせがやっぱり最終的には best combination だったと思うので、 OS 2.1  への upgrade を OTA では無く optional – Motorola から download して手作業で install という方法をとったのは正解だった。これなら OS の version に異様に拘る馬鹿とちょっと試してみたい人が download すれば済むわけなので。あとは down grade の方法も提供されていたのは非常に親切だった。

OS 2.1 とその上で動作する MotoBLUR、そして original CLIQ の組み合わせだと BlurHOME が memory が少なすぎて動作がかなり重かった。Swap partition を設定して、swappiness を適切に設定すればそれなりに快適に動作したとはいえ、普通に handset を毎日使いたいだけ、という場合にはしてもしょうがない苦労なので、事実上 end cunsumer 向けに release するには問題があった。そういう意味では CLIQ XT で upgrade を提供しないと決めたのは妥当な判断だったと思う。もっと早い段階で決定して告知したほうが良かったと思うけれど。

CLIQ 2 は 512MB の RAM、そして TI OMAP 3620-1000 搭載ということもあって、BlurHOME を動作させるのにはなんの支障も無い。

BlurHOME を使用した場合は、Motorola から提供されている MotoBLUR widgets は全て resize が可能だ。

Launcher Pro なんかでも widgets の resize は可能だけれど、BlurHOME を使用した場合には単に表示領域の size が変化するだけではなく最終的に設定した size にしたがって、若干機能が変わるのが特徴だろう。

たとえば contact widget なんかは、表示サイズによって追加できる機能が変わってくる。小さいと単に contact を表示させるための short cut で、これを resize して大きくすると Call, Text Message, あるいは SNS History の表示などの task が追加出来るようになる。

Calendar widget も小さいサイズだと、次の appointment を表示するだけだったりするけれど、これを大きくすると weekly agenda 表示になったりするので、自分の用途に合わせた customize を手軽に行うことが可能だ。

また、message widget/social widget なんかは配置した widget 毎に、どの source からの物を表示するのかを設定できるので BlurHOME の profile 機能と合わせて使用すれば、office にいる時は仕事用の mail だけを表示する widget で、週末や帰宅後は private な mail だけを表示する widget というような切り替えももちろん可能だ。

Keyboard は若干見た目に戸惑うけれど、幅が compact にまとまっていてとても使いやすい。この辺は個々人の手の大きさに依存するので、手の大きい男性なんかの場合だともう少し幅があったほうが使いやすい、と感じることも有るだろう。

ただ、自分の手の size に対して小さな keyboard には慣れることが出来てもその逆のパターンは指が届かない、とか、そうした問題が出るので、慣れで解消するには中々難しい。

なので、messaging phone としてはこの size は結構良い感じじゃないかと思う。Key を押した時の tactile feedback もかなりしっかりしていて、押したというのがしっかり認識できるのも良い点だ。

後は個人的な需要ではあるけれど MotoBLUR の Microsoft Exchange support は素晴らしい。Marketplace で TouchDown、Road Warrior など、色々とExchange Support するものはあるので、exchange sync のまともに動作しない stock Android でも何とかなる。

でも一通り買って使ってみた感想としては、どの Application よりも MotoBLUR の Exchange support はしっかりと exchange sync を support していて使いやすい。Appointment などを MotoBLUR から accept したり、あるいは reject したり、違う時間を propose したりとか、ほぼ全ての機能に対応している。

最初の MotoBLUR の時はこの辺がちょっと弱かったけれど、最新の MotoBLUR だと Exchange corporate sync/corporate calendar への対応も万全だ。

Microsoft Exchange が mobile handset から support されている事が重要、と考える人なら Android OS なら MotoBLUR 搭載 handset が一番の候補になるだろう。そこまで全て support していなくても、contact が見れて、mail sync が出来れば良いのなら Sense UI、TouchWiz どちらでもその程度までは support している。そして exchange support が重要なら stock Android (Google experience device) は決して選んではいけない、というところだ。

Social Networking に関しては、MotoBLUR はそれほど active という場合ではなくて、ちょっと親しい人たちとの間で communication を取っている位、という場合には非常に使いやすい tool だと思う。

MySpace に関しては official client より使いやすい。後は Facebook も Motorola の forum を見る限りはそれなりに使えているようだ。私自身は大学毎の network だったのが、Global に開放されてからは使うのを止めたので良く分からないところ。後は最新の version では Linked.In も support されているけれど、こちらも使ったことが無いので良く分からない。

Twitter は ReTweet に対応したのが以前の version と比較して目に付くくらいだろうか。ただ in-reply-toは付けてくれないので、timeline の流れが速い人、follower の多い人にはあまりお勧めは出来ないかも。

ただ、この social widget も出先でわざわざ全部見たくない、という感じの人には非常に良いだろう。どの source から、あるいは「誰」のものかなどを選んで filtering することが出来るし、そしてこの filtering も配置した widget 毎に個別に設定できるので、特定の人とのやり取りが重要、という場合には MotoBLUR widgets は非常に有効ではないだろうか。

Contact から SNS、Call、Text を含めた communication history を参照できるのも便利だろう。

Performance

全体的な performance は比較的良い。Application の起動も充分に早いし、使っていて stuttering を感じたりすることは無い。

Quadrant Standard の benchmark score は 900 程度とかなり低いと言っても良い score となる。もっとも Quadrant は Quadrant score という訳の分からない score を出す software という認識なので、実際の feeling とはまったく一致しない。

そういう意味では、Smartbench 2010 なんかの方がまだ有意な score 算定をしているかなというところ。

ほぼ、というかまったく同じ spec の G2 と Evo Shift 4G で結構 score に差が有ったり、数値比較をすると Nexus One が異常に速すぎる結果を出していたりと、色々不思議な score 計算だけど、相対比較をすればこんなものかなというところだ。

実際 BlurHOME のまま使用すると、Nexus One よりは全体的に動作が軽快で、G2 よりは若干遅いくらいのところだろうか。Android handset でわざわざ 3D game を play しようとは思わないので、そちらの方面の性能は個人的にはどうでも良い。なので、普通に memo を読み書きする browsing する、email するなどの動作が問題なく、軽快に動作してくれるので充分な performance と言って差し支えないと思う。

Android OS は 2D acceleration、UI に対する HW acceleration は無いので、どんなに高性能な GPU を搭載しても基本的に game をしなければただ chip 内に実装されているだけでほぼ使われていない。

OS 3.0 で 2D acceleration が、ということだけど、まだ SDK は詳細に見ていないので、UI たとえば application drawer の rendering や browser rendering にも適用されるようになっているのかはちょっと分からない。ただ、もし OS の UI layer にも適用されているのなら、ようやく実装したのか、と言う感じではあるけれど、非常に大きな improvement だと思う。

Calling / Data

CLIQ 2 は T-Mobile WiFi calling を support している。最近の T-Mobile から release される Android handset は基本的に WiFi calling を support しているので、以前は BlackBerry と Nokia しか選択肢が無かった人でも使えるようになっている。ただ BlackBerry/Nokia と違い full UMA では無いので、handover は出来ない。

Radio signal の受信感度については基本的に良い、特に問題なく電話として使えるだろう。通話品質も非常に良いけれど、speaker に出力した時の音量が結構小さいのは問題かもしれない。

Data はごく普通の、というか感度はそれなりに良好で、radio signal の弱い場所、あるいは boundary でも特に問題なく通信・通話が可能だ。

Speaker phone 以外では特に不満が出ることは無いだろう。

Music /Video

CLIQ series (CLIQ, CLIQ XT and CLIQ 2) には Motorola Connected Music Player が搭載されていて、これは中々使いやすい。

曲の進行に合わせて歌詞を表示してくれたり、internet radio が聴けたり、あるいは聴いている曲と関連する YouTube video を検索することが出来たりと中々便利だ。後は 3.5mm headphone jack に headset を接続していると FM Radio も聴けたりする。

この Connected Music Player は、TuneWiki の subset なので、TuneWiki を download すると、もうちょっと機能が増えたものを使うことが出来るけれど、増える機能は last.fm との連携だったり、あるいは聴いている曲を twitter やその他の SNS に post したりする機能なので、そうしたものが必要ない大多数の人にとっては、標準の player で充分だろう。

後は Settings – Sound – Media Audio Effects から、preset EQ、virtual surround などを設定できる。これは特定の application 向けではなくて system wide な設定なので、自分の好きな player を marketplace から download して使っている場合にも有効になるので、非常に良い add-on だと思う。

Video 再生に関しては普通に再生可能な video を鑑賞する分には何も問題は無いだろう。

PC と USB 接続して file copy などを行う際に、Motorola の driver、それに Motorola Media Link などが install されていれば、Windows explorer で file copy する際に、元が対応している format なら CLIQ 2 用に convert するかどうか聞いてくるのはちょっとびっくりした。中々 simple だけど良い機能だと思う。

Battery

CLIQ 2 の battery は CLIQ と同じ BP6X、1390 mAh の battery となる。Moderate usage なら丸一日もつだろう。Heavy usage の場合は大体他の handset と同じで 8時間から10時間程度だろうか。Display on – 要は操作している時間が 4 時間30分位でほぼ battery 切れ、と言う感じだ。

Battery life と言う面では Nexus S が如何に優秀かというのを改めて思い出させてくれる結果だけど、決して CLIQ 2 の battery life が短いわけではなくて、ごく普通すぎて、そんなに heavy に使う人で無ければ毎日夜充電すれば問題ないだろう、というレベルだ。

もしそれほど使わずに注意深く設定すれば2日も可能だ。

Reviewer Spin

CLIQ 2 は messaging phone として必要な機能は全てそろえている優秀な handset だ。T-Mobile subscriber なら $15/month の data addon を加えた two year contract で $200、$30/month の data addon なら mail-in-rebate 適用後に $100 で買える handset なので、充分お買い得と言えるだろう。

Feature phone、主として messaging phone からの upgrade なら充分必要なものを全て備えているし、あるいは多言語対応の messaging phone が欲しい、という場合なら選んで間違いは無いだろう。

T-Mobile subscriber では無い、という場合には $400+ の価格を出して買うかどうかは中々微妙なところ。電話としての基本的な機能と memo/email などのために QWERTY keyboard が欲しい、という場合にはかなり良いと思う。Gaming 用途で使うとかでなければ、performance に困ることも無いだろうし、本体の作りはしっかりしているのでそれなりに長く使うことも出来るだろう。

ただ、spec だけを追い求める、あるいは OS version に病的な拘りを持つ nerds 向けの handset では無い。その場合は、実際どう使えるかはどうでもいいのだと思うので、毎月新しい handset を買うのが一番いいだろう。

Motorola CLIQ: revised, cont’d

色々試行錯誤をしてみたものの、我が家で build した framework と official 2.1 ROM からの system application の組み合わせは存在しない MotoBLUR resource を参照して loop したり、あるいは boot 出来るようになっても大量の error が、ということで断念。

とりあえず official ROM の framework/applications の組み合わせで要らないものを削っていく、という作業をしたけれど、こちらは何故か DHCP の設定がうまくいかず、WiFi を on/off する度に手作業で setprop して DNS を設定する羽目になったり…

というわけで、我が家で build した framework/applications と、app2sd、それに kernel は j_r0dd’s custom ROM の kernel が私が手作業で patch をあてたものよりもサイズが小さくて機能も同等なので、boot.img を拝借することに。

その組み合わせで問題なく動作することを確認してから、今度は framework/applications の DeOdexing 作業を始める。

framework-res.apk と service.jar を分解して必要な files を差し替えたり、編集したり…これも、ちょっと余計なところを間違えて変えてしまうと、boot ご大量の force close に見舞われたりするので慎重に。

まずは notification bar を black を base にして。Network operator の font colour は T-Mobile の company colour の magenta にしてみた 🙂

後は check box となっていたところを、toggle switch 的な image に変更してみた。

これは framework-res 内での変更なので、この common UI parts を使っている applications 全てに適用されたりする。

例えば Titanium Backup なんかは、特に変更しなくても framework から同じ check box を使っているのでこんな風に変更が適用される。

ほぼ半日かけて xda-developers や modmymobile なんかを見ながら作業したけれど、結構面倒な作業だ。

というよりも、root 権限がないと、theme を変えたり font を変えたりが出来ない、という Android OS の design がそもそも欠陥という感じだ。

Motorola CLIQ: revised!

T-Mobile G2 を return してから、暫くは Vibrant と bluetooth keyboard の組み合わせで使ってみたけれど、やっぱり keyboard が別にというのはいまいち。

確かに、keyboard が全く無いよりははるかに良いんだけど、いちいち机の上なんかにおいて、keyboard を取り出して…というのでは smartphone としてはちょっと使い勝手が悪い、というところだ。それでも OS 2.2 以降では bluetooth support が少しまともになったようで、特別な設定や driver の install 無しにほぼそのまま使えるのは便利になったと思う。

ただ、やっぱり必要な時に取り出してさっと使えない、というのはちょっと厳しい。

ということで、OS 2.1 への beta test の際に upgrade してそのままだった CLIQ の performance tuning を。

Official 2.1 もかなり最適化はされているんだけど、どうしてもちょっと重い感じ。MotoBLUR の service そのものと、Motorola の customize 部分はどうにもならない Stock 2.1 に比べればはるかに便利ではあるんだけど、一度 MotoBLUR layer を外してみようということで、Android Open Source Project の source を取得してきて build することに。

それと、Motorola の binaries と mod kernel を組み合わせてみようと言うところだ。Kernel は ext4 support と swap support を追加して build。その状態で Motorola の ROM から、Sound Effect 関連のファイルや、Battery Manager などを流用して AOSP と組み合わせることに。

それに App2SD を組み込む形で boot.img などを作成。

boot.img の先頭部分になにか意図しないゴミが入って fastboot で boot 出来なくて暫く悩んだりしたけれど、とりあえずそれも何とか解決して boot してみると、かなり快適だ。

後は swappiness の設定なんかをもう少し調節してから、今度は MotoBLUR 込みの custom ROM を作成しよう。

Motorola CLIQ: MotoBlur 2.1.5

既に ModMyMobile で leak しちゃってるのがちょっとびっくりだけど、とりあえず今朝から release されたようだ。

Soak feedback となっているので、beta というよりは、release candidate で事実上このまま行くのかなというところ。Update Archive の size は 90MB と少しで、T-Mobile network での OTA では無く、一旦 SDCard の root に copy して、[Settings | About phone | System updates ] を実行すると update process が開始される、という仕組みになっている。

OS upgrade 自体は 2 分ほどで完了。その後 boot に数分かかり、MotoBlur account と Google account に login して、initial sync が終わるまで暫く放置。40 分位してからあれこれ触り始めると、以前 leak した MotoBlur 2.0.25 と全体的な感じは一緒だ。ただ、新しい radio.img が含まれていて、baseband version が変わるので、T-Mobile US 以外の carrier を利用している場合には、ModMyMobile で radio.img を取り除いたものを探すと良いだろう。

OS 2.1 と MotoBlur の組み合わせについては、以前の entry で紹介したものとほぼ同じなので、そちらを参考にして欲しい。ただ、BlurHome の performance はかなり tuning されていて、2.0.25 では使い物にならなかったのが、とりあえずちょっともたつくのを我慢すればだいぶ使えるようになっている。

BlurHome を使わずに LauncherPro などで置き換えれば、かなり実用的だ。残念なことに、MotoBlur 関連の widgets を配置していると若干重く感じるのは、2.0.25 よりはだいぶ増しになったとはいえ、変わっていないところ。

ただ、exchange sync などを使うには MotoBlur の core 部分はかなり良くできているので、MotoBlur widgets を配置せずに、sync の機能だけ利用した方が良いだろう。MotoBlur での exchange sync は非常に安定しているし、一旦 MotoBlur を経由してしまえば、3rd party appointment applications で Google Calendar などと同様に扱うことが出来る。私自身は今のところ MotoBlur 経由で Android Agenda Widget を使っているけれど、T-Mobile G2 で TouchDown を使うより快適に、そして安定して使うことが出来る。

T-Mobile G2 は TouchDown を使っていても、一度に大量に sync したりすると突如 reboot を始めて TouchDown の database が破損してしまうことが結構ある… これは G2 の問題というよりは、OS 2.2 を搭載した handset で、負荷がかかると panic を起こして random reboot をしてしまう、という問題が機種を問わず出ているので Android OS 自体の問題ではないだろうかと思う。

今回の upgrade で、Music Player が TuneWiki の subset に変更されている。これは、CLIQ XT/Quench に搭載されていたものと同じはずなので、もしかしたら最近の MotoBlur handsets は全部これなのかもしれない。

それなりに Major な曲なら歌詞が出てくるのがちょっと新鮮かも。

Settings を眺めていてちょっとびっくりしたのが、[ Settings | Sound & display ] の中に [ Media audio effects ] という新しい設定 menu が存在していた。

選択すると、Wired stereo devices – 3.5mm jack に wire で接続される IEM、headphone など – か、本体 Speaker のどちらかを選んで Audio Effects をかける事が出来る。

本体 Speaker に対しては Graphic Equalizer だけかけられるけれど、3.5mm jack からの出力に対しては virtual surround effect をかける事が出来る。

MixZing player なんかが、buffer に対して post processing を行う形で Graphic Equalizer を適用する事が出来るけれど、software 処理なので結構負荷がかかる。

それに対して、Motorola  が CLIQ に実装してきたこの Audio effects は、Qualcomm の QSDP 5000 (MSM chipset 内蔵 DSP) を使って hardware 処理をしているようで、音楽再生中に色々負荷をかけても処理落ちしたりしない結構優秀な実装だ。

QSDP 5000 は 16bit 48KHz までの出力を support する DSP で、MP3, AAC, aacPlus, AMR-WB/+, WMA, RNA などの decode の他にも 128 polyphony までの MIDI device として使えたりする。

そうした Audio chip としての基本的な機能の他に、QConnect と呼ばれている surround-sound engine、それに QAudioFX と gaming audio の機能なども搭載していて、今回の upgrade 用に Motorola はこの部分の機能を使うための device driver を実装してきたようだ。また、OS 1.6 まではあまり必要とされてこなかった OpenGL についてもきちんと実装してきたようだ。私自身は試していないけれど、Angry Birds が動いたとかいう post もある。

Graphics 処理に関しては Adreno 205 を搭載した G2 には到底かなわないけれど、Audio に関しては今回の upgrade を適用すると CLIQ の方が結構いい感じだ。

もともと HTC はその部分には一切手を入れてこないので、G2 あるいは Nexus One でも、音楽を再生しながら高い負荷の処理を行うと、音飛びしたりする事が良くある。また、本体 speaker に関しては HTC はどうしようもない、というか、普通に開けた場所でちょっと聴く分にはいいけれど、車の中で Voice Navigation などを使うと不自然な金属質の高音が耳障りで、放り投げたくなる speaker だ。

本体 speaker という点で言えば、もっとも優秀なのは Nokia の Xpress Music series、そしてモノラルながら Vibrant の speaker がかなり良い。Motorola は全般的に外れが無くて、安心して聴くことが出来る感じだ。

Vibrant から G2 に普段持ち歩く handset を変更して、やっぱり Vibrant は音が良かったと思っていたけれど、CLIQ でこの程度なら、いつも bag に入れっぱなしの CLIQ で代用できそうだ。もっとも Vibrant の場合は Wolfson の Wm8994 を audio 用の DSP として搭載しているので、音、という点については別格というところか。

Motorola CLIQ: looking for beta tester

Motorola の CLIQ support forum に、2.1 upgrade の予定が決まったら更新される topic というのが長らく存在している。Forum Manager しか書き込めないようになっていて、その topic を subscribe しておけば、Motorola から何か announce があった時に email notification が届く仕組みだ。

その topic が今朝更新されていて、なんだろうと思って読むと、CLIQ の OS 2.1 upgrade の beta tester を 2000 名募集という内容の post だった。とりあえず、選ばれるかどうかは分からないけれど、register。

というわけで、帰宅してから RSDLite を使って CLIQ の firmware を、T-Mobile の latest の物に強制書き換えを。CLIQ 自体は Vibrant を買ってからも、keyboard があるので texting なんかにはずっと使っていたし、G2 を買った今でも SIM は挿してあって、予備として bag の中に居たりする。Stand-by mode なら余裕で3-4日は battery がもつ smartphone というのは結構貴重だ。

最近は leak した、2.1 base に自分であれこれ足したり、あるいは要らないものを外したりした custom ROM を自前で作って使っていたけれど、久しぶりに OS 1.5 の firmware に戻すと結構これはこれで良い感じだ。

というか、leak した ROM 自体があまりに動作が重かったので、実際比べてみると軽快に動作する OS 1.5 の方が良い感じかもしれない。独特の keyboard は今でもお気に入りだし (特に D-Pad がお気に入りだ)、Vibrant より重いとはいえ、小さくて扱いやすいのも良い。

Motorola が 1.5 がこの世代の hardware とは best matching なのだ、と言っているのも確かにそうだろうなというところ。これから release される予定の official 2.1 upgrade は、leak 時点からかなり時間も経っているし、それなりに tuning はされていると思うので結構期待したいところ。

Android の熱狂的な狂信者は、upgrade が無いことに対して非常に不満を感じていたりして、Motorola boycott とかしている変な人も居るけれど、基本的に私個人としては OS upgrade はおまけ、的な感覚だ。

実際問題として、一部の application は確かに使えないけれど、それで特に困ることも無いというか。2.0+ の特に 3D 関連の API を使ったもの、あるいは、Adreno 200 程度、またはそれ以上の性能の GPU を前提にしたものなどは勿論動作しなくて当たり前だし、そうした application で特に必要性を感じるものが無い、ということもあるし。

実際、この Arm11 chipset、GPU に Adreno 130 搭載の hardware で、まともに upgrade 出来ているものは殆ど無いので、どんな感じになるのかは結構気になるところだ。Cyanogen Mod なんかも、HTC 製の旧世代の hardware ではやはりかなり厳しいし、OTA を提供された Droid Eris、あるいは Hero などは、bug だらけで、contact がまともに使えないとか、そんな状態に陥ったまま HTC は放置していたりする。

基本的には電話なので、それは無いだろう…というところだけど、それでも upgrade だ、と喜ぶ頭のねじが緩んでいる人も少なくは無いようだ…なんというか理解に苦しむところではあるけれど。それよりも、すっぱり切り捨てて、その OS version のまま fix だけを提供するか、あるいは時間をかけて、きちんと必要な機能を使えるものを提供する方が圧倒的に良いと思うんだけど、どうも Android 狂信者な人たちの理屈は若干違うようだ。

後は新しい MotoBlur が果たして最終的にどんな感じになったのかも気になるところ。現行の MotoBlur そのものは Widgets なんかの実装は結構 heavy であまり感心はしないけれど、その下の layer に関しては結構気に入っている。Universal inbox、そして universal contact、それから OS 2.2 でも相変わらずまともに動作しない exchange sync も極めて安定して動作する。MotoBlur の基本部分で OS にくい込んだ形で exchange schedule なども処理して provide しているので、普通に provider から schedule なんかを取得している applications からすれば、Google Calendar の schedules も exchange の schedules も calendar が違うだけで同じに見えるというのも良くできていると思う。

ただ、その presentation layer にあたる happenings widget なんかの動作が微妙に heavy だったのが改善されていると良いんだけど、と思う。

後は、MotoBlur の news reader は、あの横に slide させてめくっていく感じの interface は個人的に結構気に入っている。知り合いでも MotoBlur 搭載 handset を使ってから HTC handset なんかに買い換えると、あれだけはなかなか良かったという人が多いので、実際それなりに万人向けに良くできていたのだろう。