Introduction
Symbian handsets は Xpress Music series をはじめとして結構使ったけれど、最後に Nokia 5230 (Nuron) を使って暫く使っていなかった。Series 60 から Symbian^3 になった後の handsets は使ったことが無いので、C7 なんかを買おうと思っていたんだけれど、どうせ買うならということで現行 high-end となる Nokia 701 を買った。
Hong Kong での販売品で Simplified/Traditional Chinese をはじめとしてその他 East Asia の言語を support (exclude Japanese) している firmware の物がやってきた。
価格は送料その他全部込みで $300 弱。一応 Smartphone に分類出来る feature set なので比較的安いと言えるだろう。
Hardware Spec / Form Factor
Spec Summary
- Quad-band GSM/GPRS/EDGE support
- Penta-band 3G with 14.4 Mbps HSDPA and 5.76 Mbps HSUPA support
- Slim alloy body
- 3.5″ 16M-color nHD ClearBlack TFT LCD capacitive touchscreen; 1,000 nits of brightness
- 8 megapixel fixed-focus camera with dual-LED flash and video-call camera; geotagging, face detection, smart zoom in video
- 720p video @ 30fps recording, stereo sound
- Symbian Belle OS
- 1GHz CPU and 512 MB RAM
- Wi-Fi 802.11 b/g/n
- 8GB of inbuilt storage, microSD expandable
- Active noise cancellation via a dedicated mic
- DivX, XviD, H.264 video support
- Good audio quality
- Standard 3.5 mm audio jack
- Stereo FM Radio with RDS, FM transmitter
- microUSB port with USB On-the-go support
- Stereo Bluetooth 3.0
- GPS receiver with A-GPS support and free lifetime voice-guided
- navigation; Digital compass
- Flash Lite support in the web browser
- Smart dialing and voice commands
- NFC support
- Built-in accelerometer and proximity sensor
- TV-out functionality (SD)
1GHz Processor?
単純に spec sheet を眺めると 1GHz APU に 512MB RAM となっていて Symbian device としては非常に大きく spec-up した、と言える。後は 8GB の internal storage と言うことで、一般的に mid-range の Android handsets 等と同じくらい? と思った人が居るとすればそれは大きな勘違いだ。
Nokia N8/E7、およびその前後の high-end Symbian device は 680MHz の processor に 256MB RAM という構成だった。それが今は 1GHz processor と 512MB RAM となる。RAM は model によっては 128MB だったりするけれど、基本的にはそれ位あれば殆どの基本的な機能と pre-installed applications を動作させるには十分だ。ただし、余りたくさん同時に動かさなければだけれど。
Processor は ARM1136JF-S の 1.0GHz、ARM11 architecture となる。
Coretex-A8 の processor と比較すると、単純に instructions per second の数値を目安とするなら Coretex-A8 625MHz の物と同等となるだろう。実際には FPU の差異、その他の architecture の微妙な違いで単純比較は難しいけれど、大体の演算性能の目安としては 60% – 70% 程度と見ておけば大体当たりというところだろうか。
単純な processing power で見ると low-end としか言いようが無いところだけれど、Symbian OS を動作させるにはそれほど高速な CPU も大量の RAM も必要無いので、このちょっと頼りない spec でも軽快に動作してくれる。そもそも Coretex-A9/A15 で dual/quad という spec 競争を続ける Android とは別の世界、と考えたほうが良いし、その最新の CPU でも laggy な Android が mobile OS としてはかなり異常な進化をしている、と言ったほうが良いだろう。
Android は手のひら size の高性能 computer、一時期の UMPC と呼ばれたカテゴリーの製品へ進もうとしているように見えるので、smartphone とは別の領域に進もうとしているのではないかと思う。それはそれで確かに欲しいかもしれないけれど、コスト的に電話機としての性格の方が前面に出る smartphone でそれはちょっとどうなんだろうと言うところだ。
Design and Construction
Nokia 701 は N9 登場の時のような、これは新しく見る design だ、とか斬新な、という感想には当てはまらない。基本的には Nokia C7 とほぼ同じ design だ。
丸みを帯びた corner、そしてしっかりした質感を持った aluminium alloy body の組み合わせは手に持った感じがなかなか良い。外形寸法は 117.2 x 56.8 x 11 mm / 131 g となり Lumia 710 よりちょっと細くて、全体的に一回り小さい。重量は Lumia 710 が 125.5 g なので、本来 Nokia 701 の方が少し軽い筈。ただし我が家では Lumia 710 に BP-4L を挿入して使っているのでその分重くなって、Nokia 701 の方が軽い。
正面は screen の上部に earpiece そして proximity/ambient light sensors と VGA 解像度の front facing camera が存在している。Screen 下部には、3つの物理 key – 中央に menu そして両脇に Call/End Call button となっている。
Handset 上部は左から MicroUSB port、そして 3.5mm audio jack と power button となる。
Power button は余り使う頻度は高くないと思うけれど、power button は power on/off、screen lock の他に、offline/online の切り替えや profile の切り替えなどが行える。
左側面は上部に小さな穴が開いている以外は何も無い。この穴は、以前の Nokia handsets を使っている人にはおなじみの 2mm charger plug 用の穴だ。ちなみに、Nokia 701 は MicroUSB 経由でも充電可能なので、両方つけて、そして充電器としては 2mm charger が付属しているのはちょっと不思議な感じ。素直に MicroUSB charger を付けた方が良かったのではないかと思う。
左側面がほぼ何も無かったのと比較すると右側面は忙しい、とでも言えばいいだろうか。左側 (device 下部にあたる) から順に、camera key、lock slider、そして3つ並ぶ両脇が volume keys で、中央が voice command key となる。
Camera key は単純な single press key だ。Auto-Focus がついている場合、camera key を半分押すと focus だったりするけれど、Nokia 701 は Fixed-Focus なので、その機能は無い。
Lock slider は多分一番使うことになるだろう。Screen を off にして lock というのは一般的な Android あるいは Windows Phone handsets では power button の役目だけど、Nokia 701 ではこの slider がその役目を担う。
Lock slider を下に slide させる事で、lock on/off が切り替えられるので、この操作に慣れれば power button は殆ど手を触れることも無いだろう。
また lock slider を slide させて vibration するまで hold すると、camera に付属の dual-LED flash が点灯して、暗い場所での flash light 代わりに使用することが出来る。消灯するには、同じく lock slider を vibration するまで hold すれば良い。
背面は 8MP f2.8/4.3 の lens と dual-LED flash、そして battery cover となる。Battery cover を外すための latch が下にあって、その下に見える mesh 上の部分には 2nd microphone が位置している。2nd microphone は通話時の active noise cancelling の際と、video recording の際の stereo mic として使われるので、通話時にはここを完全に押さえてしまわないように注意しよう。
Lens 部分の上下に位置する mesh は下側はただの飾りで、lens 側 (写真上部) の mesh 部分に loudspeaker が位置している。
Battery cover を外すと 1300 mAh の BL-5K が収まっている。その battery も外すと MicroSD slot が出てくるので、MicroSD card の交換は面倒くさい。もっとも一度挿入したら、そう滅多に交換する物ではないと思うけれど。SIM slot は全部写ってはいないけれど、MicroSD slot の奥にかろうじて見えている。
これは battery の装着とは関係なく、battery cover さえ外せばいつでも交換できる。Size 的な、あるいは実装面積から来る制約もあると思うけれど、普通に考えればこれはそれぞれ逆にすべきだろう。
ClearBlack IPS-LCD display
3.5 inch、640×360 の aspect ratio 16:9 の ClearBlack IPS-LCD display はなかなか綺麗だ。そして、ものすごく明るい。
Brightness 50% の状態でほぼ (white) 800 nits の明るさで、他の一般的な smartphone の brightness 100% の状態より明るい。そして brightness 100% にすると 1021 nits となり、これに匹敵するのは Nokia E6 位だ。 Contrast ratio は brightness 50% でおよそ 1:1800、100% で 1:1480 程度となるので、それほど悪くは無いだろう。Motorola/HTC の LCD model だと 1:600 – 1:800 位までとなるので、その辺の model と比較すればかなり良好だ。(もちろん LCD monitor や TV と比較すれば物足りない)
このとても明るい display のおかげで屋外での視認性は今まで使ってきたどの handsets よりも良い。これだけ屋外の直射日光の下でもきちんと見える display ははじめてだ。
Image quality としては、解像度が小さいけれど、screen size も小さいので、210 ppi となりそれほど悪くは無い。ただし、よく見れば jaggy な部分が見えたりもするけれどそれほど気になるものではないだろう。
Symbian Revived!
Symbian OS と一口に言えば Nokia、ということで Nokia 独自の mobile OS と思う人も多いかもしれないけれど、一言で言うと間違いだ。
Symbian OS 自体は、UK base の PSION という会社が作った物を smartphone 向け、とした物で、OS core 自体は Nokia、Ericsson、Motorola そして PSION によって設立された Symbian Ltd. が開発を続けてきた。
Symbian Ltd. はその後 Nokia に買収され Symbian Foundation となり、そこから Nokia 本体への吸収を経て、現在は Accenture consulting company に買収されている。Nokia は現在は Accenture から OS core の提供を受けてその上に Nokia が開発した S60 (Nokia Series 60) という presentation layer を組み合わせた物を使っている、という事になる。
S60 に相当する物としては他に Sony-Ericsson の UIQ、NTT DoCoMo の MOAP などがあり、これらを含めた Symbian OS device は稼動ベースで見れば現在でも top share を誇っている。
Nokia は現在は S60 という名称をやめ、Symbian^3 – Anna/Belle という名称で呼んでいて、次の Nokia 808 PureView では Symbian の呼称を外して Nokia Belle としてしまったけれど、それでも OS core は間違いなく Symbian で、Belle 自体も S60 release 5.2 という位置づけだ。
Simplified UI
S60 Rel 5 までは使っていたけれど、その後 Android を使うようになったのでさて、どんな物だろうとまずはあちこちの menu を開いてみたけれど、ずいぶん simple になったというのが率直な感想だろうか。
かつての Symbian S60 はどこに何があるのか分からない menu 構造、そして nest して階層が深くならないとたどり着けない menu 等が多くて、一言で言えば使いづらい OS だった。Android が UI/Menu 構造としてはかなり混乱して一貫性が無いのは確かだけれど、はっきり言えばそれより酷かった。
ところが Symbian Belle では UI/Menu 構造が一新されて、かつてのように悩みながら sub-menu を辿っていかなくても良いようになっている。そして home screen も大きく変わり、一言で言えば Android OS 風に home 上に widgets と application shortcuts を配置して使う、という出来上がりになっている。
New Home screens
Home screen は 3 – 6 screens を設定することが出来て、home screens を左右に scroll すると端で止まるわけではなく、loop していく事になる。背景 image は全体に一つを割り当てて scroll していくわけではなく、各 screen 毎に個別に設定することになる。
Widgets/Shortcuts の追加、あるいはその screen の wallpaper の変更をするのは、何も無いところを tap して hold すれば menu が出てくるので、後はそれに従ってという事になる。
Widget の追加なら追加したい widget を選んで後は好みの位置に… という Android OS を使っている人ならおなじみ、とでも言える方法だ。
Home screen は landscape/portrait 両方に対応している。
ただし向きが変わると単純に回転するのではなく、その向きに応じて画面上に配置された物が re-arrange される感じだ。
Screen 最下段に 3 つ並ぶ shortcut は左から、Applications、Telephony、Menu となっていて、Telephony は電話をかけるための物だし、Menu は widgets/shortcuts/screens の追加、あるいは user guide の参照や wallpaper の変更を行うことが出来る。
Application Drawer
Home screen 左下部の applications shortcut あるいは、本体下部中央にある menu key を押して開く applications の一覧は、ここは懐かしいというか従来の S60 の物とそれほど変わりは無い。
ただ、以前はここに folder がたくさんあって、folder を開いて目的の application を、場合によっては folder の中の sub-folder を… という具合にはじめての場合は目的の物を見つけるのも苦労するような有様だったのが、folder は基本的に廃止されて flat な物となっている。ただし、user 自身が folder を作りたいと思えば、もちろん可能だ。
Applications は、この screen capture の様に custom grid で並んでいるのが初期状態で、この状態から install した applications は最後に付け足されていくことになる。もちろん、この grid の並びは自由に arrange することが可能だし、grid では無くて list 表示にすることも可能だ。また、alphabet 順に並べることも出来るので、この辺は好みに応じて設定すれば良いだろう。
ちなみに application icon に * が付いているのは install/update された物で、一度起動すれば消える。また ◎が付いている物は現在 background で動作中の applications だ。
Notification Bar
そして notification bar というか、pull-down して引っ張り出せる notification 領域が出来て結構見やすい。上部の 4 つの shortcut はそれぞれ左から Mobile (cell) data、WiFi、Bluetooth そして Silent mode の on/off を toggle するものとなっている。
基本的に Symbian OS は常時 online であるという前提で作られてはいないので、使わないなら Mobile data も WiFi も off にしておくのが良いだろう。WiFi は screen off になって暫くすると切断されて省電力 mode に入ることになる。そのまま screen on にしても再接続せずに省電力 mode のままになっているようだけれど、browser その他の application を起動して、connection が必要なら自動的に再接続される。(ただし destination が ‘internet’ に設定されていれば)
Task Manager
Task Manager は S60 から変更が無い。Device の menu button (どの handset でも中央にある) を long press することで、現在動作中の process の一覧が表示される。右上の X を tap すれば、その application を終了することが可能だし、左右に slide して、目的の application に切り替えることも可能だ。
Symbian OS の multi-tasking は Android などの様な pseudo multi-tasking では無く、desktop OS と同じように本物の multi-task となっている。このため、どの application も background で動作し続けるので browser の page を開きっぱなしにしておく、とかではなくて何か動作を続けるような application であれば、不必要になったら application 内の menu から Exit するか Task Manager で終了させておくのが良いだろう。
いちいち menu から Exit を選択するのが面倒くさい場合は、黙って end call button を押せば殆どの application はそのまま終了する。
Symbian handsets のお約束として、application 内での menu key は process をそのままにして home へ戻る、という機能が割り当てられていて、end call button は process を終了して直前の状態に戻る、というのがあるけれど、Symbian Belle でもそのお約束は健在なので、background で走らせる必要の無い application から抜け出すときには end call を押す癖をつけよう。
Portrait QWERTY Keyboard
Symbian Anna からついに portrait virtual QWERTY keyboard が実装された。
かつての S60 handsets の場合、左側の image (Nokia 5230 Nuron) のように portrait mode では、dial pad が出て、multi-press with time-out method か T9 での入力しか選べなかった。
また入力の際に、実際の screen にそのままではなくて、いったん入力専用の screen に移って、そこで入力してから確定して application の画面に反映されるという方式だった。
もっとも、以前はこの Nokia 5230 などの様な 3.2 inch という screen size でも「大きい」と分類されていたわけで、それ以下の screen size を考慮すると、portrait での virtual QWERTY keyboard は使いづらかったので、この portrait QWERTY は screen size の大型化に伴う変化、ということが出来るだろう。
Symbian Anna からはこれが一新されて、portrait mode での virtual QWERTY keyboard と screen の分割が support されるようになった。これは SMS の編集なら、screen の上半分が application のために残されて、下半分に virtual keyboard が pop-up してくるという他の mobile OS でおなじみの style だ。
Word prediction も使うことが出来て、途中まで入力した後に未確定の word を tap すると候補の一覧を表示することが出来る。
また dial-pad での入力の方が早いという人がいれば、もちろん切り替えて従来の dial-pad による入力も選択できる。ただ、この場合でも専用入力 screen では無くて分割された screen での入力となる。
Dial-pad に切り替えた直後は T9 は有効になっていないので、T9 を使いたい人は忘れずに menu から activate しておこう。
この screen 分割は新しい applications だけに有効なようだ。多分古い SDK を使っている物の場合は古い入力専用 screen が呼び出されてしまうのだろう。
Nokia Browser 7.4
Symbian Belle に pre-install されている WEB Browser は Nokia Browser 7.4 で、WebKit base の browser だ。かつての Nokia Browser 7.0/7.1 の頃と比較すると、
- Capacitive touch display への対応
- two-finger touch (pinch open/pinch close)
- Optical Finger Navigation
- Flash Lite 4.0.3
- Basic HTML 5/CSS 3 への対応
- JavaScript 1.8 への対応
- multi-window browsing = tab ブラウズ
などが主要な変更点だろう。もちろんこの他にも細かいところはたくさんあるんだけど、以前の物は resistive touch panel 専用で、ページの上下/左右 scroll には stylus を用いて端の細い scroll bar を使わなければならなかった。これが touch navigation に最適化されて、最新の Nokia Browser では capacitive touch panel 搭載機なら指だけで navigation を行うことが出来る。
これは他の OS から見れば今更、という感はあるけれど、それでも元々 resistive touch panel にしか対応していなかったのでしょうがないところもあるだろう。
Google+ に access すると、基本的には Basic Mobile view となる。上の2枚の screenshots のうち、最初の物が Mobile (WEB App) view に切り替えた物で、下が Desktop view に切り替えてみた物だ。
どちらでも rendering が破綻したり、ということも無く綺麗に表示されている。ただし Desktop view は Google+ の場合 script が重いので実用的ではないだろう。また Mobile (WEB App) view も煩雑に reload して通信が発生する作りになっているので、標準の Basic Mobile view が一番実用的だろう。
いずれにせよ、Symbian device はそれほど高速な CPU は搭載していないので、script が heavy に動作する WEB page を desktop view で見るには不向きなことは間違いない。もっとも表示領域も大きくないので、普通は mobile view で十分だろう。
User Interface は browser に限らないけれど、かなり大幅に変更されて、Nokia Symbian handsets をはじめて使う場合でもかなり直感的に、そしてそれほど学習せずに使うことが出来るようになっている。
かつての S60 handsets までは WEB browsing は出来るから、とりあえず必要だったら使う、的な位置づけだったし、Opera なんかを install しないと快適とは言い難かったけれど、新しい Nokia Browser なら別に Opera 無しでも十分に news を読んだり、お気に入りの site を閲覧したり、という用途を日常的に使うことが出来るのではないかと思う。今は殆どの site が mobile device に対応している、というのもあるし。
Audio playback / Music Player
色々と UI には問題が多かった S60 でも Music Player だけは非常に使いやすかった。そしてそれは Belle になっても変わっていない。S60 Rel 5 から Symbian^3 そして Anna/Belle へと変わる際に何が変わったのかとじっくり見ても特に違いは無い… というか。
見た目、という点で言えば cover-flow 的な UI が増えた位でそれ以外は基本的に一緒だ。
おなじみの、というか pre-set から選べる equalizer もそのまま健在だ。
音質そのものは high-end Symbian device 伝統のと言えば良いだろうか、portable MP3 player としてみた場合には素晴らしい音質ということが出来るだろう。50 Hz 前後が若干 boost がかかっている感じではあるけれど、そこを除けばほぼ flat で素直な音を出してくれる。
Distortion、Noise、Stereo Crosstalk などはいずれも気にする必要の無いレベルだ。この辺は Xpress Music 以降基本的には殆ど同じ回路なんだろうな、というところだ。
というわけで先日買った Nokia Purity headset で音楽を聴いているけれど、非常に満足だ。また bluetooth headset を経由して聴く場合でも Lumia 710/Samsung Focus のように noise が入ることも無く非常に clear な音質だ。
Audio に関しての唯一の不満点はかつての Xpress Music series のように mono loudspeaker では無くて、stereo speaker を付けて欲しかった、というところくらいだろうか。Speaker からの音質は若干金属的な響きが気になるけれど、電話機付属の speaker として考えればそれほど悪いわけではない。ただし、Xpress Music と比較すればもちろん不満だらけだけど。
Excellent Battery life
Catalogue spec 上の battery life は wow としか言いようが無い。
2G での音声通話 17 時間、3G での音声通話は 7 時間。そして standby は 2G – 504 時間 (21 日!)、3G – 551 時間 (22 日 23 時間!) となっている。Video playback は 8 時間 55 分、Music playback は 71 時間 25 分となっていて、最初は何かの見間違いかと思った程だ。
ただ、この catalogue spec は基本的に他に操作をせずに何も background で動作させず、というあくまでも参考値に過ぎないので普通に使う場合にはこの値を達成することは不可能だ。
通常は catalogue spec は見るだけ見て忘れて、朝から low-battery warning が出るまでどれくらいか、を見ているんだけど Nokia 701 の場合は今のところ分からない、けれどかなり良い、としか答えようが無い。
これは 6 時間ほど browser を使ったり、Social network application を使ったり、あるいは screenshot を撮ったりしながら音楽を聴き続けた (4 時間ほど) 状態での battery status screen だ。
合計 30%… 30% 減ってる? と思ったんだけど、total では 80% 残っていることになっているので、この辺の細かい数値は微妙に謎だ。4時間の music playback を続けて、2%? というのも中々凄いインパクトがあるけれど、とにかく何をしても Android/Windows Phone handsets のように目に見えて減っていく、ということが無い。一番分かりやすく減るのは video playback なんだけど、普段 snmartphone で video を鑑賞するというのも余り無いし。
他にも 10 時間くらい repeat して音楽再生だけ続けてみた後の battery status とか、適当に使いながらの減り具合を見る限り、多分 music playback を主として使えば 40 時間前後。WEB browsing その他と組み合わせて使った場合でも 30 時間くらいは余裕でもつのではないだろうか? というところだ。
今のところ夜は充電してベッドに入る、という生活なので、実際のところ良く分からない。
Telephony / Messaging
Nokia 701 は正しく Nokia handset だ。Quad-band GSM、そして Panta-band WCDMA と CDMA carrier 以外ならどこでも使える world wide handset だ。受信 reception もかなり良好で他の maker の handset なら out of service となる場所でもしっかり電波を掴んでくれる。
音声通話品質はかなり良好で、Nokia 701 からの通話相手は dedicated noise cancelling microphone のおかげもあって、かなり綺麗な音質で会話を聴くことが出来るだろう。また Nokia 701 を通じて聞こえる音質も結構良好で cellphone としてはかなり良好な部類だ。
ただし不満点を一つ上げるとすれば、loudspeaker の volume がもう少し欲しかったところだ。ただし、headset あるいは本体の earpiece を通じての volume には特に不満は感じない。
Final Words
Nokia 701 を主として Symbian^3 以前、S60 Rel 5 と比較してどう変わったかを中心に解説してきた。Nokia 701 の hardware 的にはまだ fixed-focus 8MP camera あるいは video recording など触れていない部分もあるけれど、私自身がそうした機能は殆ど使わない、あるいは別にどうでも良いと思っているので、これからも多分その点に触れることは無いだろう。
他にも NFC が搭載されていたり、あるいは専用の cable を通じての USB on-the-go 機能で、USB flash memory を認識できたり、と中々いつどう使えばいいのか分からない機能が追加されていたりする。
ただ、USB on-the-go なんかは大容量の何かを持ち歩きたい、という場合には確かに便利だろうし。本体を USB cable で PC に接続した場合に USB mass storage として扱える mode が付いていたり色々着実に機能強化されている部分も多い。
Symbian はもう時代遅れ、あるいは Android や iPhone に比較して機能が少ない、というコメントも見かけるけれど、Symbian Belle は時代遅れでもなんでもなくて、十分実用的な最新世代の mobile OS だ。また機能的な面で言えば、concept は若干違うけれど、OS core 機能ではまだまだ Android や iPhone よりも豊富な機能を持つ。その分 handset maker が実装を行い hardware を設計するのに時間がかかるのは確かだけれど、現時点ではまだまだ十分他の mobile OS と比較しても遜色は無い。
Application の数がそれほど多くない、というのは確かに欠点としてはあげられるだろう。Symbian^3 以前の application は長い歴史も有り、Ovi Store 以外にも unsigned で大量に application があったりするけれど、Symbian Anna 以降の新しい text input – screen の分割、あるいは widgets なんかに対応した物は確かに少ない。ただ実際のところ、Microsoft OneNote があって、facebook/twitter に pre-install application で対応していて、後は WebKit base の browser と Music Player があれば困らない人なので特に気にならない。
Multi-language support というところでは確かに他の platform とは見劣りするだろう。ただし表示自体は問題ないし、Font Zoomer という application を使うと自由に font も切り替えられる。Swype が (beta ではあるけれど) 30 languages 以上に対応していたりするけれど、何故か Chinese と Japanese は無かったりする。
もっとも、日本語を入力したいと思うのは一部の social network service とこの blog 程度で、blog は電話機から post しようとは思わないし、twitter/google+ などは日本語が入力できなければ全て英語で文章を書けば良いだけの話しなので、こちらも困ることは無いだろう。
というわけで、日本語の入力が必要条件で無ければ最新世代の Symbian Belle はかなりお勧めできるかもしれない。ただし、他の mobile OS と違うのは前提が常時 online で packet を常に垂れ流せる、では無くて、通常時は offline で必要に応じて application を起動して必要な情報を取得する、あるいは必要なら upload なりをする、というところだろう。
Hardware としての Nokia 701 は私自身は smartphone 搭載の camera はとにかく写ればどうでも良い、という程度のこだわりしかないので、fixed-focus でも特に気にしない。ただし smartphone 搭載の camera を point and shoot 代わりに使うのである程度は… という場合は買うべきではないだろう。
この場合同じ価格帯で Nokia N8 が存在しているので、そちらを買えば Nokia 808 PureView 以外での最高峰の image quality を堪能できるだろう。(Nokia 808 PureView は €450 程度なので、発売直後は高いだろう)
また Nokia C7 辺りを持っている場合には特に upgrade する理由も無いだろう。確かに RAM の容量。そして CPU の動作周波数は向上しているけれど、逆に言うとそれだけだ。C7 程度の 680 MHz ARM11, 256MB RAM でも Symbian OS を動作させるには問題が無いので、RAM あるいは CPU power がと現状で困っていないならば買い換える理由は全く無い。
Nokia 5230 等からならば、買い換えると物凄い軽快になったと感じるだろう。Carrier との契約無しで $300 程度、状態の良い used を見つければ $200 弱で手に入れることが出来る Smartphone としてはかなり良い買い物だと思う。
Symbian handsets を特に積極的に進める理由は無いけれど、同じ値段のあるいは倍の値段の Android device と比較してもそれほど悪くは無い。特に低価格帯の smartphone としては現時点で Symbian を超える物は無いだろう。Windows Phone 7 tango で要求 spec が引き下げられているけれど、対抗できるとすればそれ位だと思う。