Nokia Purity Headset WH-920、販売は Nokia からとなるけれど製造は Monster Cable による製品だ。
価格は一つ前の entry でも紹介したとおり €100 程度。Wired な headset としてはかなり高価な部類に入るだろう。
Audio headset としてみた場合には €100 程度の製品ならごく普通の普及価格帯、というところだろうか。ただ実際購入してみるまでは $30 – $40 程度の低価格品と同程度位の品質ではないだろうかと思っていた。
Monster は基本的に高いのだ。音質で言えば Monster は他社の製品の単純に倍の値段と考えておけば良いだろう。とはいえ、それでも低音域と高音域を不自然に boost しまくった Beats や Skullcandy 等の粗悪な製品よりははるかにましだ。Beats は高くて、どんなに高くても極めて不自然な音質という救いようの無い brand だけど、基本的に Monster は Hi-Fi で、frequency response はごく自然な製品だ。
また Monster は Beats や Skullcandy と言った質の割りにただ値段だけが高い brand では決して無くて非常に高い耐久性を提供してくれる。そして多分それが Monster 製品の値段の高い原因なのだろう。
Headset / Headphone では無くて cable 類は結構 Monster 製品を愛用しているけれど確かに頑丈だ。Monster が広告しているように cable の違いで音質が変わる、とかいうのは頭のいかれた audio junkie 向けのオカルトでしかないけれど、cable はその耐久性にお金を払うのだと納得できれば確かに最高の製品だ。
それに studio あるいは field で cable が断線したりしても安心だ。Monster の正規代理店が近くにあれば、壊れた cable を持って行けば何も言わずに新品と交換してくれる。しかも lifetime-warranty だ 🙂
私自身も数回交換したことがあるけれど、warranty notice に色々細かい conditions が書いてあるけれど誰もそんなことは気にしない。Monster 製品でさえあれば、取り替えてくださいとお願いすればその場で(もちろん在庫があればだ)未開封品と交換してもらえる。ID を見せたり、面倒くさい paper work も無しだ。Viva Monster 🙂
ただ屋内だけで丁寧に使うなら、基本的に不必要な耐久性と、同等品と比べるとやたら高い、というのは間違いの無い事実だ。
Features / Facts
Connector は 3.5mm AHJ (American Headphone Jack) で Windows Phone handsets はこの規格を全機種で使用しているので、基本的にどの Windows Phone handsets でも問題なく使用できるはずだ。
In-line control は Volume rocker と中央の Pause/Play button。電話がかかってきた場合には、この button で通話に応答できて、また再度押すと end-call となる。
Volume rocker は本体のそれと同じ操作だ。Screen off の状態では、+/- がそのまま反映されるけれど、screen on の状態ではまず最初の click で現在の volume が notification area の下に表示されて、その表示が出ている間に +/- を押すと volume の変更が反映される。
Microphone は結構良く音を拾ってくれるし、clear な音で通話するには十分だろう。
Flat-cable で tangle-free なのは結構ありがたいところ、結構 cable が絡むのはちょっといらいらするものだし。
Ear buds は size 違いのものが 5 種類付属していて、最初に装着している物とあわせれば 6 つということになる。意外とこの付属の ear buds は仕舞い込んでしまう人が多いらしいけれど、買ったらすぐに自分にとって reference となる音を聴きながら全種類試してみるべきだ。
Size のあってない ear buds を使った場合は音漏れの原因になるし、また in-ear type はしっかり isolation されていることを前提にして音の設計を行うので、size があってない場合は当然その製品の本来の音を聴くことが出来ない。
後は付属の non-AHJ 4-pole の Nokia AV adapter は N8 あるいは Nokia 700 等の Symbian device 用の adapter だ。Symbian device の audio circuit は基本的に Windows Phone のそれよりも良質なので、この adapter を使って Symbian device で使うのも良いだろう。(ただし、volume rocker は使えないようだ)
Sound Impressions
Sound Impressions は基本的に SRH940 や他の headphone を買ったときに行うのと同じ曲を使って、volume を 5/10/15 で3回、それに ear buds をあからさまに大きいのを除いて 3 回交換して、という繰り返しで聴いての物だ。Nokia Purity Headset と Lumia 710 の組み合わせの場合 volume は個人的には 15 でもかなり大きいと感じるくらいなので、それ以上の大きさは一切試していない。また標準 stereo plug ではなくて、あくまでも AHJ で接続する headset なので Lumia 710 以外の device は使用していない。
まず基本的な fact としての spec は freq. response が 20Hz – 20000Hz、impedance は 32 ohms そして Speaker diameter は 9mm となる。
32 ohms なので、Lumia 710/800 の output impedance からするとぎりぎりというところになるんだろうか。Classics 系の曲によっては少し noise が気になるので実は 40 ohms 位の物が best match なのかもしれない。ただし、pops/rocks などを聴く分には余り気にならないだろう。
全体的な音質は電話機用の headset として考えれば非常に良い。Lumia 710 US model には earphone は付属していないけれど、他の handsets に付属してくる物と比べれば圧倒的に良いだろう。価格を考えれば当たり前だけれど、付属品より良い音で、と思った場合には選択肢として悪くは無いと思う。
Bass は結構十分と言うか、Beats 等の不自然な bass-boost が好み、と言う場合には確実に物足りないと思うけれど、Hi-Fi headset として考えれば十分な音だ。上のほうも studio monitor model などに比べるとちょっと物足りないけれど十分に clear で全体的に癖の無い素直な音を聴かせてくれる。
また ear buds は適切な size のものを使えばしっかり耳に fit して、isolation も非常に良好だ。Isolation がしっかりしているので多少の外部の雑音は気にならないだろう。
ただ、同価格帯の audio 製品と比べると決して悪い、という訳ではないけれど全体的に物足りない。
Conclusion
Nokia Purity Headset WH-920 を他の人に recommend 出来るか? と聞かれた場合ちょっと答えに困ってしまう。
基本的に in-line control は便利だし、tangle-free cable も外出時、あるいは gym 等で使う場合にはとても便利だ。そして何より colour variation があるのも嬉しい。個人的には、もうちょっと値段が下がるのを待って fuchsia も欲しかったりする。
電話機に使う通話時にも使える handset が欲しいというなら、結構お勧めではないかと思う。特に Windows Phone を使用している場合なら、volume rocker も使えるのでなかなか便利だ。
ただし、headset ではなく audio 製品としての IEM が欲しいと言う場合にはお勧めしない。典型的な Monster 製品なら $100 払って $30 分くらいの他社製品と同等という感じだけれど、WH-920 はそこまで悪くは無い、大体 $60 前後の普及価格帯の製品と比較して、それよりはちょっと良い、と言う感じのそんなに悪くは無い音質だ。
純粋に音楽を聴く、という用途でこの価格帯のものをと考えれば、もうちょっと足せば、UltimateEar の TripleFi 10 が買える。$150 程度が多いけれど探せばもうちょっと安い値段でも見つけることが出来るだろう。後は €100 も出すなら、頑張って €200 出せば EarSonics の SM1 が買える。
そういう意味では非常に中途半端な位置づけになる製品なんだけれど、もし Lumia 800 を持っていて本体の色に合わせた headset が、という場合だけは間違いなく買いだ。他の Monster 製品と同じで、それなりに耐久性もあるし、build quality は間違いなく良い。後はそこに価値を見出せるかどうか、というところだと思う。